樹木の選定
樹木は使用するにあたって、それぞれの樹種特有の形状、性質、特徴などを考慮して選択しなければなりません。
なおかつ、それらの樹脂の個性を活かしながら組み合わせ、総体としての景観をつくりあげるのもで、樹木の選定は
重要な作業です。
広葉樹と針葉樹
樹木類は、葉の形状によって広葉樹と針葉樹に分けることができます。
広葉樹はその名のとおり、カシ類やハナミズキのように巾の広い葉の形状を持つ樹木類です。
これに対してマツのように巾が細く、針のような形状の葉を持つ樹木類を針葉樹と言い、針葉樹にはヒバ類のように
鱗片状の葉を持つ樹木類も含まれます。
広葉樹の中の常緑・落葉
広葉樹の中には、カシ類・ツバキ・キンモクセイのように冬でも落葉しない常緑のものと、ハナミズキやナツツバキの
ように冬季は葉を落として越冬する落葉性のものがあります。
常緑性の樹木類は常緑広葉樹とよばれ、例外はありますが主に関東以西の温暖な
地域に育成するものが多く、四季を通じて常に変わらない姿は常盤木(ときわぎ)とも
称されて、その常緑性を評価されています。
落葉性の樹木類は落葉広葉樹とよばれ、温暖な地域から寒冷な地域にまで広く生育
します。 落葉広葉樹のなかには、美しい花を咲かせるものが多く含まれており、
また、秋の紅葉・黄葉の美しさも楽しめるところから季節感を強く印象づける樹木類
として利用されます。
針葉樹
針葉樹はメタセコイアやカラマツのように、一部落葉性の樹木類を含んでいますが、エクステリアで利用する針葉樹の
ほとんどのものは常緑性の樹木類です。 針葉樹の多くは耐寒性が強く、東北地方から北海道、標高の高い高原など
の寒冷地に分布し、植栽も行われます。 寒冷地では多くの常緑広葉樹は生育することができないため、冬季の緑は
針葉樹によって確保されます。
針葉樹のなかでも、特にコニファーとよばれる一群の樹木類は、欧米で園芸的に
品種改良された針葉樹類で、樹形や葉の色にさまざまな変化を示す多くの品種が
あります。 また、コニファーの中にドワーフコニファーというグループがりますが、
これは成長が遅く、また葉も細かい矮性種(わいせいしゅ)の性質を有し、小型の樹形
を維持しやすい為、あまり広くない庭や玄関まわりでも使いやすい針葉樹です。
コニファーの導入によって、エクステリアの植栽も大きな変化を示してきましたが、
中でも植栽が花や紅・黄葉のみならず、葉の色の多様な色合いによってより多彩
になったことは重要な点です。 また、寒冷地では、特に耐寒性のあるコニファー
を利用することで、これまでの在来種に加えて樹形、葉の色共にバリエーションに
富んだ植栽のデザインが可能になったことは、大きな意味を持ちます。