アプローチ 3
■ アプローチのとり方
アプローチのとり方は、建物の玄関位置や道路と敷地の関係、敷地の形状・利用方法によって異なってきます。
また、門の位置を設定する際、建物の玄関とエクステリアの門との「見通し」に注意しなければなりません。
門扉を開けたとき、防犯等のために、道路側から直接玄関が見通せないのが良いとされています。
また、門からおくの景色を垣間見せることによって、「向こうに何があるのだろう」と期待させるような空間づくりを
行うことができます。
● 玄関までの距離が長い場合
門から玄関までの距離に余裕がある場合、門前の敷地を広くとることができます。
広い空間を活用することにより、シンボル性・デザイン性のある華やかな空間を
工夫することも可能になります。
また、このような景観の変化により「意識の切り替え」を行うことができますが、
周辺の街並みとの調和を図ることも忘れてはいけません。
● 玄関までの距離が短い場合
建物の玄関までの距離に余裕がない場合においても、門と玄関の間にクッション
スペースを作るように工夫します。 このような門の位置のとりかたによって、
敷地内への見通しが遮られるとともに景色に変化が生まれ、門まわりの空間に
奥行きが生まれます。 また、門柱や門扉などの構造物を設置する余地がない場合は、門まわりに植栽などの
工夫をすることによって、玄関があからさまに見えなくなる効果が得られます。
一方、階段をつくる際は、老人・幼児・障害者も使いやすいように、設計上のきめ細かい配慮を忘れてはなりません。
たとえば・・・
・ 階段の蹴上げをできるだけ小さくする
・ 踏面を広めにする
・ すべりにくい仕上げの舗装にする
・ 手摺りやスロープを併設する
などが考えられます。
アプローチのとり方としては・・・
・ アプローチをクランクさせる
・ アプローチをななめにする
・ アプローチを曲線にする
・ 道路と垂直に門を設置する
・ 門をななめに設置する
などが考えられます。
● 道路との高低差がある場合
道路と敷地との間に高低差がある場合は、階段やスロープを設置し、
スムーズな歩行が図れるようにします。
高低差がある場合の門まわりづくりにもいくつかのメリットがあります。
・ 道路側から、建物の玄関への見通しがたちにくい
・ 景観に変化が生まれ、ドラマチックな修景をつくりやすい
(階段の形状、舗装や仕上げ、植栽の手法により特徴ある景観をつくることができる)
なお、階段の踏面は 26㎝ ~ 30㎝、蹴上げは 15㎝ ~ 18㎝ が望ましいとされています。