門まわり 1
■門に求められるもの
門の歴史を見ると、他から守る機能が起源と考えられます。
社会状況が全く異なる現在でも住宅にとってのセキュリティ機能の
必要性が存在します。 門は場所を象徴する力、ステータス性や
シンボル性が必ず付帯してきました。 この機能は社会が変化しても
形を変えて存在しており、住宅の門は、表と内の境を人に意識させ、
住まいを象徴する装置と考えられ、公と私の境と見ることもできます。
人に意識の切りかえを促すには、視覚に訴える方法がよく使われ、この働きかけの強いものが
「大きな門」や「重厚な門」です。
象徴的なポールの間を通り抜けるというような「門に変わるもの」では働きかけが弱く
軽いと感じられるはずです。この強弱や軽重が門まわりのデザインの大きな要素です。
近年の門は、従来からの門という形態によるばかりでなく、様々な手法と形態が用いられるようになっています。 門まわりの素材の組合せやシンボルとなる植栽や彫刻像などの配置、照明による演出などが視覚に訴える方法となります。